チーム開発での「モヤモヤ」を言語化する技術
はじめに:技術ではなく「言葉」が詰まる瞬間
チーム開発では、技術的な課題よりも「言葉にできない違和感」に悩まされることがある。
仕様の曖昧さ、役割分担のズレ、レビューの温度差、コミュニケーションの滞り・・・
どれも明確な問題として表面化しないため、気づけばストレスだけが蓄積していく。
この「モヤモヤ」を放置すると、チームの生産性だけでなく、自分自身のメンタルにも影響する。
だからこそ、違和感を「言語化」する技術が必要になる。
モヤモヤの正体は「未整理の情報」
モヤモヤは、単なる感情ではなく、以下のような「未整理の情報」が混ざり合った状態である。
・事実:実際に起きた出来事
・解釈:自分がどう受け取ったか
・感情:その時に感じた気持ち
・期待:本当はどうしてほしかったか
これらが混ざると、問題がどこにあるのか分からなくなり、言葉にできなくなる。
言語化のための3ステップ
- 事実と感情を分ける
まずは、頭の中の情報を「事実」と「感情」に切り分ける。
・事実:レビューの指摘が曖昧だった
・感情:どう直せばいいか分からず不安になった
この分離だけで、モヤモヤの輪郭がはっきりする。 - 自分の「期待」を明確にする
モヤモヤの多くは、「期待とのズレ」から生まれる。
・期待:具体的な改善ポイントを示してほしかった
・期待:優先度を明確にしてほしかった
期待を言語化すると、相手に伝えるべきポイントが見えてくる。 - 相手に伝わる形に変換する(DESC法)
DESC法は、冷静に対話するためのフレームワークである。
・D(Describe)事実:昨日のレビューで、修正点が抽象的でした
・E(Express)感情:どう直せばいいか分からず、少し不安になりました
・S(Specify)要望:もう少し具体的に指摘してもらえると助かります
・C(Consequence)効果:そうすれば修正が早くなり、全体の進行もスムーズになります
攻撃的にならず、建設的に伝えられる。
言語化がチームにもたらす効果
・誤解が減る:曖昧なまま進めるリスクが減少する
・心理的安全性が高まる:意見を言いやすい雰囲気が生まれる
・改善が進む:問題が明確になるため、対策が取りやすくなる
・チームの成熟度が上がる:個人の感覚が共有知になる
モヤモヤを言語化することは、個人のためだけでなく、チーム全体の品質向上にもつながる。
おわりに:モヤモヤは「悪」ではなく「サイン」
モヤモヤは、問題があるという「サイン」であり、無視すべきものではない。
言語化することで、問題は初めて「扱えるもの」になる。
エンジニアにとって、技術を磨くことと同じくらい、違和感を言葉にする力は重要なスキルである。

