転職か、現職か
はじめに:迷いは「悪」ではなく「サイン」
エンジニアとして働いていると、ふと「このままでいいのだろうか」と立ち止まる瞬間がある。
転職サイトを眺めたり、現場の不満が積み重なったり、周囲の転職成功談を聞いたり・・・
そんな時、心の中に生まれる「モヤモヤ」は、キャリアが次のフェーズに進む前触れでもある。
転職か、現職か。
どちらが正しいかではなく、どちらが「今の自分」にとって合理的かを見極めることが重要だ。
転職を考えるきっかけは何か
まずは、自分の中にある「転職したい理由」を整理する必要がある。
理由は大きく3つに分類できる。
- 環境要因
・給与が上がらない
・評価制度が不透明
・人間関係のストレス
・プロジェクトの質が低い - キャリア要因
・成長実感がない
・新しい技術に触れられない
・ロールモデルがいない
・将来のキャリアが描けない - 生活要因
・ワークライフバランスの悪化
・健康面の不安
・家庭環境の変化
理由が複数絡んでいることも多い。
まずは「何が自分を動かしているのか」を言語化することが第一歩になる。
現職に残るメリットも見逃せない
転職は魅力的に見えるが、現職にも意外と多くのメリットがある。
・人間関係や業務フローを理解している
・自分の強みを発揮しやすい
・信頼残高があるため裁量を得やすい
・生活リズムが安定している
特にエンジニアは、環境が変わると生産性が一時的に落ちるため、「現職で改善できることはないか」を検討する価値は高い。
転職が「正解」になるケース
以下のような状況では、転職が合理的な選択になりやすい。
- 成長が止まっていると感じる時
学びが停滞し、技術的な刺激がない状態が続くと、キャリアの寿命が縮む。 - 市場価値を高めたい時
より高いレベルの現場に身を置くことで、スキルが加速度的に伸びることがある。 - 価値観と会社の方向性がズレてきた時
会社の方針が変わり、自分のキャリア軸と合わなくなるケース。 - 健康や生活が限界に近い時
長時間労働やストレスが慢性化している場合は、環境を変えることが最優先になる。
現職が「正解」になるケース
逆に、以下のような状況では現職に残る方が合理的だ。
- 不満の原因が一時的なもの
プロジェクトの山場や一時的な人間関係の摩擦など。 - 現職で改善できる余地がある
部署異動、役割変更、業務改善などで解決できる場合。 - 転職理由が「逃げ」に近い時
「なんとなく嫌だ」「周りが転職しているから」など、外的要因が強い場合は注意が必要。 - 現職での信頼が強みになっている時
裁量や自由度が高い環境は、転職後には得られないことも多い。
判断のためのフレームワーク:3つの軸で考える
転職か現職かを判断する際は、以下の3軸で整理すると迷いが減る。
- 興味(やりたいこと)
・技術的な興味
・取り組みたい領域
・将来のキャリアビジョン - 市場性(求められること)
・スキルの市場価値
・業界の動向
・需要のある技術との距離 - 生活(続けられること)
・健康
・家庭
・働き方の柔軟性
この3つが重なる領域こそが、最も「納得感のあるキャリア選択」になる。
おわりに:答えは「今の自分」が持っている
転職か、現職か。
どちらが正しいかは、他人が決めることではない。
大切なのは、
「今の自分が何を大切にしたいのか」
「どんな未来を選びたいのか」
を丁寧に言語化することだ。
キャリアの分岐点は、迷うからこそ意味がある。
その迷いを無視せず、合理的に向き合うことで、次の一歩は自然と見えてくる。

