やりたいこと vs やれること

はじめに:業務内容に潜む違和感
ITエンジニアとして働く中で、「この案件は自分に合っているのだろうか」「やりたいことと違う」と感じる瞬間は少なくない。技術的な興味やキャリアの方向性と、実際に割り当てられる業務内容との間にギャップが生じると、モチベーションの低下や不安につながる。

よくある案件・業務内容の悩み
 やりたい技術に触れられない:最新技術を学びたいが、現場はレガシー環境中心
 マンネリ化:同じ業務が長期に続き、成長実感が薄れる
 待機やアサイン不安:SESや派遣形態で案件が決まらず、将来が見えない
 やりがいの欠如:成果が見えづらく、誰の役に立っているか分からない
これらは、案件選びや業務設計に「納得感」が不足していることが原因である。

業務内容とモチベーションの関係
人は「意味」を感じられる仕事に対して、より高いモチベーションを持つ。
逆に、意味を見出せない業務は、どれほど効率的にこなしても疲弊につながる。
つまり、案件や業務内容の悩みは「技術的な問題」ではなく「心理的な納得感」の問題でもある。

納得感を高めるためのアプローチ

  1. 「やりたいことマップ」を作る
    自分が興味を持つ技術や領域を整理し、可視化する
    現在の案件との距離を測り、ギャップを認識する
  2. 案件選定のチェックリストを持つ
    技術:学びたい技術に触れられるか
    人:一緒に働くメンバーから学べるか
    報酬:生活を支える水準か
    成長:次のキャリアにつながるか
  3. 今の業務に意味を見出す工夫
    小さな改善を積み重ねる
    得た知識を記録・共有し、再利用可能にする
    「誰の役に立っているか」を意識することで、やりがいを再発見する

おわりに:案件は選ぶ』だけでなく『意味づける』もの
案件や業務内容の悩みは、エンジニアにとって避けられないテーマである。
しかし、案件は単に「割り当てられるもの」ではなく、「意味づけるもの」でもある。

やりたいこととやれることの間に橋を架ける工夫こそが、長期的なキャリアを支える納得感につながる。